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序章
喉を煙が通り抜け肺に入る。言われた通りに肺に長く溜めてみる。煙草とも違う独特の味を漂わせ、肺を通した煙は鼻から抜ける。つかの間喉など痛くもなかったのむせるように咳き込んだ。煙草を普段吸っているのでむせることなどないと思っていた。その意思を反し咳きが止まらず10秒ほど咳き込んでいた。アレクは笑いながら「good job!」
と言っていた。
僕はこの刺激的な夜を忘れることはないだろう。今まで生きてきた世界を抜け出し世界の広さを知ったような気がした。これこそ全ての始まりだった。
まだ夏も始まる前。空のは青く雲は白く。空気もまだ暖かくなってきたばかり。今年の夏は例年より暑くなりそうな気がした。そんな夏の終わりに、僕は緑の海を見ることとなる。
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