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バイト
「おい、酒とつまみ買ってこい」
階段の踊り場に座り込む二人組に強い口調で言われる。
「はい、分かりました」
彼らとは今は違うクラスだが、小学校の時同じクラスだった。ただそれだけだ。
「つまみはさきいかでいいですか？」
「それでいいから早く行けよ！」
このタイミングで言うのがベストだ。俺はすかさず手をごますりする形にし
「お金がないんですけども…」
そう言うと一人がサイフから札を二枚渡す。
2万円だ。
「じゃ行ってきます」
一見パシリにされているように思えるが、お金はちゃんともらえしかも余ったお金は俺のポケットマネーになる。
最初に頼まれた時は絶望を感じたが、余った金を貰えるバイトだと思ってからは呼び出されるのが少し嬉しく感じるように。
「買ってきました！」
商品を二人に渡し足早に立ち去る。
お酒はもちろん買えないので炭酸を買った。酒＝炭酸が合言葉だ。
彼らは酒と言う言葉を使いたいだけなのだ。
卒業までの学校内バイトは明日も続く。
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