単発ストーリー集

やみつき

　彼はクラスのヤンキー三人に漫画を盗って来いと言われ本屋にいた。

　紙じゃなくて電子にすれば場所を取られないのにと言ったところ、「それじゃお前にスリルをを味あわせてやれねーだろ」と言われ殴られてしまった。
　次の体育の時間、教室から誰もいなくなったのでヤンキー三人の財布から漫画代をいただいた。
　体育が終わり三人は財布を見ていた時があったが、一人から盗った額がさほど大きくなかったからか、三人共気づいていなかった。
　盗った金を制服の胸ポケットにしまった状態で放課後ヤンキーに連行され本屋へ。

　三人は外で座り彼が盗ってくるのを待っていた。
見せの中に入り指定の漫画がある場所へ行く。外からは見えるか見えないか微妙な位置で立ち止まり目の前の漫画を確認。
　左右を見、誰もいなくヤンキー達が視線を逸らした瞬間ーー、制服の胸ポケットから先ほど拝借した漫画代を本棚に素早く置き、引き換えに漫画をカバンに素早くしまい何食わぬ顔で店を出た。

　店を出るとヤンキー達はにやにやし肩に腕を回し脇道に連れていき「盗ってきたものだせよ」と肩に回してた腕を外し襟首をつかむ。
　カバンから漫画を出し渡すと悪い笑みを浮かべ去っていった。

　彼はそんな事を続けた。もちろん金はヤンキー達から盗って。