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「あなたは誰なの?」
愛未はたずねた。
「私はあかり。」
少女は一言そう答えた。
「なんでこんなところにいるの?ここに何しに来たの?」
愛未は矢継ぎ早に質問を続けた。
「ねえ、私の質問にも答えてよ。あなたは死ぬつもりなの?」
あかりと名乗る少女は、愛未の質問を遮って再びたずねた。
「ええ、そうよ。死んで、このくだらない世界とおさらばしてやるの。」
愛未はぶっきらぼうに答えた。
「どうして死ぬの?」
あかりは少しの躊躇もなく、愛未の心の最も触れてほしくないところを思いっきりひっぱたいた。
「うるさいわね。ほっといてよ。」
なんで初対面の人にそんなことを答えなきゃいけないのよ。
愛未はイライラしながらフェンスの方に向き直った。
「私は生きたかった。」
あかりは一言、ぼそっとつぶやいた。
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