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喫茶店にて
私、花緒は今、とでもビビっています。
今日、先輩からいきなり電話がかかってきて、喫茶店に呼び出されちゃった。
それも、誰に聞いたんだかわからないけど「今日は午後の授業もないしアルバイトもないから時間あるよね?」と、スケジュールまでしっかりと抑えられちゃってる!
いいもん。
先輩から渡された杖を返すチャンスだもん。
ちょっとくらい嫌な思いをするのは我慢しよう。
本当は、レイナちゃんとかに付添を頼んだのにみんな都合が悪いって断られちゃった。
あんなに奢ってあげたのに、みんな付き合い悪いんだから。
先輩から指定されたのは、いわゆる純喫茶というヤツだ。
ちょっと雰囲気暗いな。
カフェなんてスタバくらいしか入ったことないから、入るのに勇気がいる。
そっとドアノブに手をかけて押す。
カラン……と、ドアベルが鳴った。
店内にはお客さんはあんまりいなくて、静まりかえっていた。
「あの、すみません……」
小さく声を出すと奥のボックス席の人物がすくっと立ち上がってこっちをみた。
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