憧れの先輩と

4/4
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
不穏な気配は、スターバックスで注文した時からあった。 先輩はカフェアメリカーノを注文。 私は、キャラメルマキアーノを注文しようとした。 そうしたら先輩が「砂糖がいっぱい入っているのはよくないんじゃないかな」と言ってきた。 私は「コーヒー苦くてまだ飲めないんですよね。頑張ってるんですけど。ダイエットには悪いんですけどね」と返した。 この時はあくまでカロリーとかを気にしているなんて、先輩も体型維持に気を使っているんだな〜。くらいにしか思わなかった。 そして、席に座った途端に先輩が話始めた。 最初は農薬の使われた食品がいかに体に悪いかから始まって、有機農法の素晴らしさとか、自分で育てた作物の美味しさとか。そんな話だっと思う。 先輩って、真面目で色々なことを実践していて大人だな〜。と思っていた。 そうしたら「この世には多くの人間を堕落させる食品や娯楽が会って、それは悪魔がうんぬんかんぬん……」と口を挟む隙間もなく先輩は喋り続けた。 途中から話は耳を素通りしていってしまった。 どうやら先輩は何かの宗教に入っているらしく、その素晴らしい教えを私に教えてくれているらしい。 正直、ドン引きしています。 あの優しくて頭が良くて大人だった先輩が、宗教にハマるなんて……。 「だから、日曜日の行事に一緒に参加して欲しいんだ」 「はい」 「良かった。じゃ、詳しいことはLINEするね。よろしく」 と言って、先輩は席を立ってしまった。 「あ、先輩! 私、バイトが会って、行けま、せん、よ……」 先輩は無視して歩き去ってしまう。 え? これはあれですか? もしかして参加することになっちゃった? どーしよう!?
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!