愚痴の電話

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「はぁ」 私、一人だけのアパートの天井を見上げてため息をつく。 インターネットでたまに見かける『久しぶりに友人が連絡をしてきたらそれはマルチか宗教の勧誘だ』というミームが、まさか自分に降りかかるとは思ってもみなかった。 そしてそれが、あの晃雄先輩だというのがさらにショックに追い討ちをかける。 「あー、やだやだ」 クッションをボスボス叩いては見たものの、気分は上向かない。 「よし! ご飯食べよう!」 大学の友達に連絡をとって、夕飯の約束を取り付ける。 約束まではまだ時間がある。 こんな気分の落ち込んだ日は、パーっと豪勢に食べるに限る。 「何食べようかな〜。新しいお店がいいな〜」 とスマホ片手に食べログを漁ることにした。
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