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「てか、いくらショックだったからって迂闊にうなづいちゃダメでしょ」
「そうそう、そういう危機管理大事だって。子供じゃないんだから」
「もう、二人ともいいたい放題なんだから!私、傷ついてるんだよ慰めてよ。ね、レイナちゃん」
横に座っていたレイナちゃんにもたれかかって、泣き真似をする。
「え、わたしは奢ってもらえて嬉しいなーって思ってるけど? その先輩? のおかげじゃん。あははは」
「レイナちゃんまで! ひどいー」
ブル、ブル、ブル。
また、スマホが揺れた。
きっと、晃雄先輩からの着信だろう。
そういえば、番号は教えていないのにどうしてかかってくるんだろう。
誰が教えたのかな。
「……」
BGMがわりに流しているJーpopがうるさい。
私たちは黙ってしまった。
さっきから、スマホの着信が止まらない。
ルイちゃんがテーブルの上のスマホを取って、画面を見る。
「着信67件だってよ」
「うわ〜。ホントだ」
「しかも、充電20%切ってる」
ルイちゃんが見てみて、とスマホを私に向けてくる。
また、着信が来た。
「やだ、見せないでよ」
ただの着信画面のはずなのに、怖い。
「あ」
「どうしたの?」
「間違えて、電話に出ちゃった」
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