第四話

1/1
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

第四話

次の日の朝 「乗ってる?」 新聞を見ている瑛二兄ちゃんの横からのぞき込んだ。 「うん、でもちょっとだけだ」 「生きてるよね?」 「んー?」 「何悩んでるんだ?」 新聞を後ろに隠す弟。 「一馬兄ちゃん、おはよ」 「何新聞隠してんだよ、見せろ」 「ああ、はいどうぞ」 「おは」 「うす」 なんか乗ってる? またW大だ。 殺人? 未遂かもな? 「一馬兄ちゃん、その人生きてる?」 「ン?何がだ?」 指さしたのは小さな写真。 「この人、生きてるかって聞いてるの」 「ああ、生きてると思うぞ」 「病院どこ?」 「病院?かいてねえけどな」 「どうしたらわかる?」 「ノン、どうした、やけに突っ込むな」 「知ってる人なの」 「へー、大学教授だぞ」 「あ」 「あ?なんだ、ノン、なんか隠してるな」 「隠してない!」 「こら!ノン」 ノンちゃんは走って二階へ行ってしまった。 「瑛二、お前も何か知ってるな」 「白状しろ」 「わかった、話す、けど、お願いがあるんだ、兄ちゃん、一馬さん、手伝ってほしい」 「一馬さんだって、きもい」 「真面目なんだ、お願いします」 弘道君、彼から相談を受けていた瑛二は昨日のことを白状した。 「そうか、でもなー。今日は無理だ」 「明日は、休みだよね」 「んー、瑛二」 「なに?」 「今から言うこと、紙に書いてくれ」 「う?うん」 「のーん、兄ちゃんたち行ったぞ」 のそのそと階段を下りて来た。 「教授に会えるかもしれない」 「ほんと?」 「まずは、昨日の事を整理しよう、みんな呼んで、写真を集めるから」 おはようといって、みんなが部屋に集まった。 スマホからデータを抜き取り、それをカラープリント。 その写真を並べてつなげていった。 「でけー」 「結構ある」 「よし、マリアちゃんはなにかいてるの?」 床でお絵かきをしているマリアちゃん。 「教授」 「そうか、よしじゃあこれも」 弘道君から瀬川さんに電話をした。 「標本?俺は、倒れた先生を見たときに見たけど、そこまで詳しく見てないな」 「そうですか、あの、虫かごしりませんか?大きいのとプラスチックの小さいやつ、全部で五つあったんですが」 「さあ、今日はなんせ、研究室自体は入れなくて、みんな自宅待機なんだ」 「あの、先生の病院はわかりましたか?」 「うん、○○総合病院、まだ会えないけど、大丈夫だって」 「そうですか、ありがとうございました」 「病院わかったの?」 「うん、行くよ」 「これは?」 「このままでいい」 お見舞いは、いらない。という瑛二兄ちゃん。けど、私たちはあるものをもってきていた。 「これは?」 部屋の前には大きなプレートがかかっていた。 「面会謝絶、入れないんだ」 「ここまで来たのにー!」 「ナースステーションに行こう」 みんなで向かった。 「よろしくお願いします」 「「「お願いします!」」」 「ます」 「はい、お預かりします、きをつけて帰ってね」 看護師さんに写真と絵を預けてきた、裏には私たちのメッセージ、気が付いたら連絡が来る手はずになっている。 「来るかなー?」 「うん、大丈夫、今日は帰ろう」 お兄ちゃんがマリアちゃんとよっちゃんを送っていった。健ちゃんとは途中でバイバイしたんだ。 「弘道君」 「うん、あの写真、もう一回見よう」 私たちは家に戻った。 「何かわかった?」 「よくわかんないや、でもさ、見て、これ、このかごはノンちゃんのじゃない?」 「あー、本当だ、じゃあ、マリアちゃんのだけないんだ」 「うん、それとさ、これって何かな?」 「どれ?」 「ここ、これって、教授が倒れてたのに、こんなのが机の上にいっぱいあってもいいのかな?」 「どういうこと?」 教授は寝ていた、それを起こそうとして倒れたといっていた。 「うん、それが?」 「ちょっと、この机借りてもいい?」 「うん」 お兄ちゃんの机の上に、その辺にあった本なんかを置いた。 「いいかい、寝ていたのなら、こうだ」 机に覆いかぶさった。 「うん、そうだね」 「それを起こすんだ、ノンちゃんやってみて?」 「教授、起きてください」 とゆすった。 「いいかい、どっちかに倒れるよ」 ばさばさ、どたん! 「あー、本、おかしい、本当だ、みんな重なってる」 「後ろに倒れるってことはないと思う、それにこの椅子、見て、この椅子みたいにキャスターがない」 「ほんとうだ」 「ただいま」 「兄ちゃんおかえり、ねえ来て、来て、聞いて」 一生懸命瑛二に説明したノン。 「へー、それでやってみてたのか」 「うん、ごめんなさい、借りました」 「いいけど、そういわれるとそうだな」と腕組みをしている。 「ねー、おかしいでしょ」 「それに・・・」 「なに?」 「いや、これ、カップかな?」 「コーヒーのカップみたい」 「うん、そんな感じだな」 「兄ちゃんたちが来てから聞いた方がいいかもな」 「一馬に聞かなきゃ」 「誰?一馬って」 「コナン」 「違うだろ、シャーロキアン、シャーロックホームズだよ」 「へー、探偵?」 「そうだよ、すごいんだよー」 「まあ、そこまですごいかわかんねーけど、とりあえず、兄ちゃんたちに聞くこと何かに書いておけ」 「うん」 「うん!」 「行くなって言っても行くだろうな?」 「さっきまで待ってるんだって張り切ってたけど、寝ちゃったよ」 「フム、さすが雄一の妹だけあるな」 部屋いっぱいに敷かれた写真のコピー。を三人で腕組みしてみていた。 「感心してねえで、そうなのか?」 「うん、弘道君ので正しいだろう、どんな格好で、机に覆いかぶさっていても、何かしら物が落ちる、ましてや、このカップ、これだけ下に紙があったのなら、何か起きていていいはずだ。」 「なにって、なに?」 「見ろ、中身、入ってる」 「あー、本当だ、そう見える」 白いカップに黒い丸いもの、中身は入っているだろう。 「この写真じゃわからないけど、この机の上はおかしい、誰かが触ったとしか思えないな」 「それと、この違和感てなんだ?」 「あー、それはノンがなんか変って言ってたんだ」 「なんか変?」 「あーこれ、これと、これ、おんなじものじゃないかって」 「教科書か?」 「辞書なら同じものでもおかしくないよな」 「んー、鮮明じゃないから余計にわからん」 「なんで拡大コピーしたんだろう」 「おんなじ部屋にしたかったんじゃねえの」 「あーあり得るか、現場保護」 「でもやりすぎ」 ははは、ハ~。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!