インタビュー

4/7
前へ
/7ページ
次へ
 きっかけと言うかね、アタシにはこの道しか無かったって気がするね。  運命か……。まあ、悪くない表現だ。運命としておこうか。  あるいは必然と言っても良いな。  善し悪しに関わらず目立つのが好きでね。  ずーっとさ。どうにもこればっかは変わんなくってね。  そんな事ばっかり考えて他はさっぱりだってんだから、こいつは立派なロクデナシだ。  こうなったら、人様に見て頂くしか出来ねぇなってね。  かといって大道芸なんてのは出来やしない。  いや、バカにしてんじゃないんだ。  アタシには技がないって事を言いたいんだよ。  つまり、芸だね。身についている芸なんてものが無いわけさ。  傘の上で球転がすのがどんだけ難しいかわかるかい?  まあ、アタシもやったことは無いんだけどね。  きっと難しいよ。  アタシはお手玉だってできやしないんだからさ。  ともかくそう言うわけだから、この体一つで勝負するしか無かったんだな。  他に選択肢が無かった。  これが答えなわけだよ。  意外に詰まんない答えだったかね?  ああいや、無理しなくったっていいんだよ。  アタシだって自分で詰まんないなぁって思ってんだから。   ……そうかい? あんた、良い人だね。  さっきは説教しちまって悪かったね。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加