インタビュー

7/7
前へ
/7ページ
次へ
 そうだ。良かったら一枚撮って行くかね?  飛び切りの心霊写真をプレゼントしようじゃないか。  気が進まなさそうだね。  まだ少し明るいから、ひょっとすると雰囲気に欠けると思っているかね?  それとも写真の腕に自信がないかい?  あんたがキャメラマンとして素人なのは見りゃわかるさ。  アタシぐらいになると、そんぐらいの事をカバーするのは朝飯前さ。  なに、構える事は無い。気楽に撮ったらいいんだから。  緊張のし過ぎで手が震えちまったりなんかしたら、それこそ勿体ないだろう?  それじゃどうしようかね。  あの木の下で恨めしげに見ればいいかい?  逆さまの方が雰囲気が出るかな……。  そうだなぁ、この辺りで処刑された男の霊って事にしようか。  実際? 知らないよそんな事は。  その辺にいる地縛霊にでも聞いたらどうだい?  アタシはプロだからね。  環境や「いわれ」なんかに左右されるようじゃ、プロ失格ってもんさ。  それじゃ、苦しみぬいて死んだ感じでやるからね、上手く撮っておくれよ……。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加