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「いゃあ、タイムリーなネタもらって助かりましたよ、白波瀬さん」
今まで押し黙っていた男は感心したように自身の首に手を回し、訝しげな視線を寄越す樋口と目が合ったところでニッと笑った。
「あ、申し遅れましたが、私は週刊文冬の臨時記者もしてるんですわ。
こんな時の為に積住の従業員として籍置かしてもらってるだけで。
しっかしあなた方、天下の積住見くびったらいけませんよ?
政治家吊るす術なんて山ほど持ってるんですから。
全く、、、。強請る相手間違ってるわ」
頭を振りつつそこまで言うと、スマホで店内を撮り始めた。
「ドアを塞げ」
怒りを滲ませた樋口の指示に構わず、白波瀬は傘を取った。
「嶽部の息子に伝えろ。
『薫は私のものだ。我々の前に二度と現れるな』と。
それからヒマなお前にも言っておく。
再びこんな商売してるのが私の耳に触れたらアルファ界のみならず、社会から葬ってや、、、」
そこへ、
バタバタバタッ、、、
「社長ーっっ!」
屈強な男達を押し退け、ドアの向こうから駆け入って来たのは湯浅だった。
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