2/5
前へ
/18ページ
次へ
 Dが無表情に指示を仰いだ。 「Hさん。Bさんの処理は?」 「自殺で処理しよう」 「了解。では、警察に通報します。それでは皆さん、十五分で確保お願いします~」 「了解~」  全てが阿吽(あうん)の呼吸である。社員中最年長で、名実ともに伝説の社畜マスターと呼ばれる俺を頂点に、社内は完璧に統率されているのである。組合とは名ばかりの社畜ユニオンには、社長をはじめ社主でさえも異論は挟めない。なにしろ我が社は、我々社畜エリートによって支えられ業績を伸ばしている会社なのだから。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加