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 そうなのだ、我が社は徹夜が頻繁にある会社なのである。いわゆる、今風に言うところのブラック企業と呼ばれるトレンド最先端企業であろう。であるからして、もちろん全社員共に時代の最先端をゆく社畜である。しかし社畜だからと侮ってはいけない。一言に社畜といっても色々あるのだ。世に数多(あまた)居る社畜の中でも、過酷な業務に耐え、激しい競争を勝ち残ってきた社畜は、社畜の中の社畜であり、社畜オブ社畜であるところのエリート社畜という特別な社畜なのである。  ブラック企業など潰れてしまえ! などと思ってはならない。苛酷な環境に適応できなかった弱者はさっさと退場して、自分の能力に見合った普通の会社に再就職すればよろしい。それが自然の摂理であることに異論はなかろう。ところが、天下に名立たる超一流(ブラック)企業たる我が社に順応し適応しうるほどの、優秀無比なるエリート中のエリート社畜である我々の働く場が無くなってしまうのは困るのだ。
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