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Ⅲ
毎年恒例のイベントでもあり、皆慣れたものだから、ベテラン女子社員のDは頃合いを見て、オフィスの壁際に並べてあるロッカー前で待機している。Dは、次々と集って来る無言のベテラン社畜たちに、手際よくアルミ製刺股を手渡してゆく。
ベテランの仕事に言葉は要らない、黙々と並んだベテラン社畜E、F、Gと俺は無言で、鈍く光るカラフルなアルマイト加工と滑り止めサンドブラスト加工を施こした我が社拘りの一品、アルミ製対基地外専用刺股を無言で受け取る。隊長である俺の真っ赤な刺股には、誇らしげに角も付いている。
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