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探る者
啓一は消息不明になってしまった幼馴染の紗彩を探していた
「クソ、電話も出ないし家にもいない…!何処行ったんだよ紗彩!!!」
消息不明になる前、啓一は紗彩から入りたかった会社に入れたと嬉しそうに電話を貰っていた
そんな矢先に居なくなってしまった彼女
いろんな所を探したが紗彩の手がかり一つ掴めない
いや、まだ行っていない所がある
紗彩の会社だ
啓一はそこに目を付け、早速紗彩の入社した会社にアポイントを取った
「紗彩、絶対見つけてやるからな!」
啓一は探偵という職業をしているため、紗彩の失踪事件を見逃す事が出来なかった
そして何より彼は紗彩と婚約している
なんとしてでも彼は紗彩を探し出したかった
「そうですか…」
しかし、会社の方でもなんの情報も得られなかった
どうしたものかと会社内を歩いていると一人の男とすれ違う
「っ、拓史…!」
「…こんなところで何してんだい、啓一」
拓史、紗彩の事をストーカーしていた元親友だ
「お前!!!!紗彩を何処にやった!!!!!」
「うるさいなぁ…。大体なんの話だい?」
啓一は拓史の胸倉を掴み叫ぶ
しかし、拓史はしれっとそう答える
「僕、仕事があるんだ。手、離せよ」
「…クソっ!絶対に紗彩を助け出してみせるからな!!!!」
啓一は手を離し、そう叫ぶが拓史は聞こえていないようにすぐにそこから立ち去る
怒りでどうにかなりそうな啓一だったが、手がかりが掴めたんだと自分を落ち着かせた
背後で拓史が啓一を睨み付け舌打ちしていたなんて気付かずに
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