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「改めて、真君、お誕生日おめでとう。」
真君の部屋で。
テーブルにはデリバリーで取り寄せたご馳走を並べ、特別にシャンパンで乾杯した。
「あ、ありがとう。」
小さくグラスを合わせて、良く冷えたシャンパンを飲む。
乾いた喉を刺激して、一口飲んだだけで、上品な香りとアルコールが体中に広がっていくようだ。
今年最後の日。
12月31日が真君の誕生日。
ご馳走を食べて満足したら、白ワインに換えて、ソファーに移動。
テレビの音楽番組をBGM代わりに、真君の横顔をうっとり眺める。
不意に私を見た真君に、私は微笑みながらお願いした。
「今度私が寝てしまったら、アクセサリーを外すついでに、服も脱がせてね。」
真君は驚いた顔になって、私を見つめる。
「だって、お気に入りの服が皺くちゃで、悲しかったの。」
私は、ニッコリ笑って良く冷えた白ワインを飲んだ。
真君は安心したような笑顔になって頷いた。
あの朝、ショックだったのは、遅刻しそうなことと、お気に入りのスカートが皺くちゃだった事。
でも、それ以上に、目を覚ますと真君の顔があった事は幸せだった。
私は、ワイングラスをローテーブルに置くと、笑顔の真君の頬を両手で包んだ。
「幸せ。」
そう言って、キレイな唇にキスをした。
真君はキスに応えて、優しく私を抱きしめた。
真君は長い腕ですっぽりと私を抱きしめて、私の肩に顔をうずめ、ピアスの揺れる耳元に囁いた。
「あ、明日、ゆ、ゆっくり。掃除、さ、させて、ね。」
明日、ゆっくり掃除させてね。
あぁそれは、私が片付けた気でいる私の部屋の事。
週に一度、私が散らかした部屋を掃除することが真君の密かな楽しみ。
真君は、私だけじゃなくて、私の部屋まで夢中なんだ。
またあの部屋に負けた気がして、私は返事の代わりにソファーに真君を押し倒した。
「部屋の事は明日。今は私に夢中になって。」
私はストレートに感情を吐き出すと、国宝級、イヤ、秘宝級の笑顔を私に向ける真君を、欲望のまま、舐めるように見つめた。
イケメンマニアの私は、真君の外見を含む全てに夢中で。
お掃マニアの真君は私と、私が創り出す汚部屋に夢中なの。
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