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普段は白杖を持って歩いているので不安しかなかった。 その内に犬の動きが止まった。 私も慌てて立ち止まった。 ハーネスに伝わる犬の動きが分かり易いと思った。 それから何度か連れ添って歩いた。 最初はハーネスを持つ手が震えていたけど少しずつ慣れて行った。 主にどの様な場面で盲導犬を使いたいのか聞かれ買物や通学、後々は通勤と答えた。 もし貸出を希望すれば1年ほど待つ事もある様だった。 盲導犬は無償貸与で10歳位でリタイヤするのだという事も初めて知った。 私は犬との共同生活をお互いの空間を保ちながら暮らせるのか不安だったし犬の面倒を見れるのか心配だった。 犬へのトラウマは少しだけ払拭されたが不安の方が多かった。 家に帰り両親と話したが、 このままの生活だったらこのままだし、盲導犬と暮せば不安や心配が増えるけど今の生活は間違いなく変わる。 私は悩んだ。 そして思い切って盲導犬と暮らす事を選択した。 でも1つだけお願い事をした。 それは私に貸与される盲導犬になるかどうかはともかくパピーウォーカーのお宅へお邪魔して子犬の頃から触れ合いたいと言う願いだった。 パピーウォーカーは将来盲導犬としての訓練を受ける仔犬を1歳頃まで飼育するボランティアで普通の家庭で育てられ人との信頼関係を築いて行くための制度らしく、この事も初めて知った。
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