5

2/3
前へ
/9ページ
次へ
「ねえ、起きて。 起きてよ。」 誰かが私を揺すった。 「え、だれ? もう、なに?」 私は寝ぼけていた。 「わたしだよ... こはる。 来ちゃった。」 「こはる...? 来ちゃったって... 誰だか知らないけどあなた私をからかってるの? 目が見えないからってバカにしないで。」 「え~、もう忘れたの? あなたと暮らしてたでしょ。 何でそんな事言うの? わたし... あなたをいつも見てたじゃん。 悲しいな。」 「もうやめて! 私 冗談に付き合う気分じゃないの。 もうちょっかい出さないで。 それにあなた一体誰なの?」 「冗談なんかじゃないよ。 じゃあ、試しに目を開けてみて。」 「だから見えないの!」 「うんん、わたしの事は見えるよ。 ほら、瞼を少しずつ上げてみて。 ゆっくりね。」 私は早くこの状況を終わらせたくてその子の言葉に従った。 すると何もなかった所から白い粒が物凄い勢いで頭を刺激した。 「あ!」 私は思わず叫んでしまった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加