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「うっは! それって”白龍”じゃん! さすが冰君、愛があふれてんなぁ!」
「い、いえ……そういうわけじゃ……まあ……ないわけじゃ……ないですけど」
こんなに可愛いことを言われて黙っていられるわけもない。
「冰――お前ってヤツは……毎度のことだがどこまで俺を喜ばせるんだ!」
周はガラにもなく仔犬のようにウルウルと瞳を輝かせながら、またもや冰を抱き締めてしまった。
「俺は正直その気持ちを聞けただけで感無量だが、お前の手作りなら実際に食ってみてえと思っちまう。今からめちゃくちゃ楽しみだ!」
「白龍……あんまり上手く作れないかも知れないけど、でも心を込めて作るよ!」
「ああ。いい、いい! お前が例の店でそんなことを考えてくれてたってのを知っただけで感無量だ!」
「うっは! ラブラブじゃん! 遼、お前は甘いモン苦手だからケーキ焼いても嬉しくねえかもだけど、見た目だけでも楽しんでもらえるようなの考えるからさ!」
「いや、俺もお前が焼くケーキなら完食する自信はあるぞ」
すっかりカップル同士で盛り上がっている様子に、森崎も里恵子も肩を寄せ合いながら微笑ましく見つめるのだった。
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