極道たちのクリスマスパーティー

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極道たちのクリスマスパーティー

 年の瀬も近付き、クリスマスイブを明日に控えたその日。鐘崎組の厨房では紫月と冰が朝からケーキ作りに精を出していた。 「材料は昨日冰君と仕入れて来たし準備は万端だ! まずはケーキの土台作りから始めようぜ!」 「はい、よろしくお願いします! 俺はケーキを焼くなんて初めてなので……お世話を掛けてしまうと思いますが」 「ンなの全然! 材料混ぜて焼くだけだし簡単さ! 手間掛かるのはデコレーションの方だな。冰君の方は土台に龍の模様を付けたいんだったよな?」 「はい、そうです。白龍の背中の彫り物と似たような模様にしたいと思ってこれを作ってみました」  冰は持参してきた袋から大きな型紙を取り出してみせた。 「うっはぁ! すっげ! マジでこれ切り抜いたんか!?」  冰が広げた型紙には昇龍の形が細部に至るまで一つ一つ丁寧にカットされたものだった。
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