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「ふあぁ……ホントよく頑張ったよなぁ。これ、氷川にはもう見せた?」
「いえ、まだです。ケーキが完成してから見せたいと思って。ケーキ用に白龍の背中の模様を写真に撮らせてもらったんで、俺が何か作ってるんだーってことは知っていたと思いますけど、実物は見せていないので」
照れたようにして冰がはにかんでいる。その色白の頬に真冬の陽射しが暖かに照らし、彼の陶器のような肌をより一層際立たせていた。
「氷川は幸せ者だなぁ!」
紫月に言われて更に頬を染め上げた冰であった。
「よっしゃ! そんじゃ、これをいっちゃん生かせるよう土台の方に取り掛かるとするか! でっけえケーキを焼かなくちゃな」
「はい! がんばりますんでよろしくお願いします!」
組の調理師たちも器具の準備などを手伝って、賑やかなケーキ作りが幕を開けたのだった。
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