極道たちのクリスマスパーティー

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「こちらこそ急ぎで無理を申し上げて恐縮です」 「とんでもございません! ではどうぞこちらへ。お気に召していただけると良いのですが」  店奥のプライベートな空間に案内され、支配人が注文の品を開けると鐘崎と周の二人は嬉しそうに表情をほころばせた。 「おお、こいつぁすげえな! いいじゃねえか。冰と一之宮の驚く顔が拝めそうだな」 「ああ。明日あの二人に見せるのが楽しみだ」  そうなのだ。今頃は鐘崎邸でケーキ作りに精を出している紫月と冰へのクリスマスプレゼントとして、旦那組の二人からもサプライズの贈り物を用意していたというわけである。  店としても開店早々に災難な事件に遭ったばかりだし、このようにして独自の注文をもらえるのは非常に有り難いわけだろう。支配人に厚く礼を言われながら二人はサプライズプレゼントを手に店を後にしたのだった。
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