極道たちのクリスマスパーティー

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 まるで披露宴会場のような広々としたルームの真ん中に大きなもみの木が置かれ、その周囲を取り囲むようにクリスマスカラーの布地で彩られた円卓が並ぶ。演舞曲が心地の好いメロディーを奏でる中、高い天井からは幾千ものクリスタルガラスがキラキラと輝くシャンデリアが美しく卓上のカトラリーを照らしている。前菜からメインまで本格的なフレンチのフルコースが振る舞われ、料理のサーバーは黒の執事服をビシッと纏った真田たちが卒なくこなして、まるで夢と御伽の世界の如く豪華な宴に紫月の父や綾乃木などは目を剥いてしまったほどだった。  大パノラマの窓の外には、暮れるのが早い師走の宵闇が眼下の大都会のネオンを包み込み、宝石箱のように煌めいて非常に美しい。まさに絶景の中で最高の仲間と家族と共に賑やかなクリスマスの食卓に花が咲いていった。
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