極道たちのクリスマスパーティー

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 そうして絶品のフルコース料理に舌鼓した後はいよいよデザートの登場である。昨日、鐘崎邸で紫月と冰が腕によりをかけたクリスマスケーキが大きな銀製の蓋で大切そうに包まれながらワゴンに乗って運ばれてきた。むろんのことワゴンを引いてやって来たのは真田である。 「では皆様、本日のメインでございます。紫月さんと冰さんが心を込めてお作りになられたクリスマスケーキです!」  その掛け声と共に室内の照明が落とされて、スポットが当てられる。と同時にバックミュージックがクリスマスソングへと切り替わった。  得意げな仕草で背筋をピンと伸ばした真田が銀の蓋を取ると、中からはチョコレートクリームとブルーベリーの実で飾られたムース仕様という二種類のケーキが華やかなスポットの中に浮かび上がった。
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