男たちの姫始め

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 そして晦日の日――。  周は冰と真田らと共に新幹線で温泉地へと向かった。車でもよかったのだが、冰に新幹線を体験させてやりたかったのもあって、今回は列車の旅を選んだのだ。  午後の二時を回った頃、宿に着いてチェックインをしていると、見知った顔ぶれと鉢合わせて驚かされるハメとなった。 「――なんだ、てめえもここだったのか……?」 「そりゃ、こっちのセリフだぜ」  周と鐘崎は苦虫を噛み潰したような表情で一瞬ポカンと硬直状態に陥ったが、冰や紫月は大喜びである。 「冰君ー! まさか一緒の宿とはね! すげえな、俺ら! めちゃくちゃ縁があるじゃん」 「紫月さん! ほんとですね、ご一緒できて嬉しさ倍増です!」  思い掛けない偶然に二人は手を取り合ってはしゃいでいる。真田も源次郎も普段から付き合いがあるので、一緒に大浴場の温泉を楽しもうと入浴時間まで打ち合わせて、早々と盛り上がっていた。  そんな一同を横目にしながら、周と鐘崎の大黒柱二人はやれやれと苦笑させられるのだった。
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