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「んもう! 白龍も鐘崎さんも……どうして男ってこう恥ずかしいことばっか平気で言うんだろう」
両手で顔を押さえてアワアワとしている冰に、
「何言ってー! 冰君だって男だべ?」
紫月までもが冷やかしながら肩をツンツンとつついてくる。
「ヤダ、もうー! 紫月さんまで!」
すっかり茹蛸状態の冰に、全員がドッと湧く。賑やかな笑い声に包まれるダイニングのパノラマの窓からは、その幸せあふれる数々の笑顔を讃えるかのように降りそそぐ午後の陽射しが大都会の街並みをキラキラと照らし出していたのだった。
その日の夜は周の快気祝いということで、鐘崎らや医師の鄧、李と劉に運転手の宋も加わって、皆で祝膳を囲むこととなった。
真田が張り切って用意した膳には言葉通り鯛のお頭付きと赤飯、それに合わせた純和食の豪勢な食卓が華やかだ。いつもは周と二人のダイニングはまるで花が咲き誇ったように賑やかな設えとなって、冰も喜び倍増であった。
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