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「僕たち遊んでくるね!!」
散々食べたあと圭太はそう言って腰が重い瀬崎と透を引き連れて広場へと向かう。広場ならボール遊びなどもして良いようでそれを知った圭太がバレーボールとバトミントンを嬉しそうに用意していた。あんな人がもう30歳だなんてどう見てもやっぱり信じられない。
持参したルイボスティーを飲みながら生贄を笑顔で送り出す。
「寝る」
「わっ、ちょっと何ですか」
いきなりそう言った橘が一色の肩口を掴んでくる。
「その服寄越せ。枕にする」
「は?嫌に決まってるでしょう」
グレーのカーディガンを脱がそうとしてくる橘の手を掴んで必死に阻止する。
しばらく均衡状態が続いたかと思えば橘はいきなり手を離して一色に背中を向けた。
諦めたか、と再び水筒を持った一色の膝に軽い衝撃と、重み。
「………っ!何してるんですか!!」
「服が嫌ならお前が枕になれ」
あろうことか膝枕を要求してきた。周りには小さな子供たちもいる。大の大人が、男同士で膝枕している姿なんてどう考えても教育上よろしくない。
「馬鹿ですか。いや、馬鹿なのは知ってますけど」
一色は慌ててカーディガンを脱いで橘の頭を持ち上げて下に敷く。
「あ?」
「枕があればいいんでしょう!!!もういいですよ、どうぞ!」
立ち上がって橘から対角線になる位置へと移動する。一瞬不愉快そうに一色を見て、ああそう、と橘は目を閉じた。
「………そんなに恥ずかしかったか」
「……!!っ、笑うのやめて下さい」
顔を桜色に染めた一色を見て肩を震わせて笑う橘を本当に殺したいと思う一色だった。
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