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「キ・モ・い・で・す」(笑顔)
「そんな暴言吐くと、俺に嫌われちゃうぞ?」
「ご・じ・ゆ・う・に」(笑顔)
嫌ってくれた方が助かるし。
それより、これって何かの罰ゲームなのかしら。思わず冷ややかに社長を見つめた。
「紗那っ。あぁー、その冷たい眼差し、たまらんっ。好きだ! 仕方がないから俺がお前と付き合ってやる。有難く思え」
私は目の前の社長に、必要以上に冷徹に接した。
「それより社長、書類に早く印鑑を押してください」(笑顔)
溜まっているその社長の机の企画書諸々、書類に目を通してさっさと印鑑押してくれなきゃ私が困るのよ。月曜日で忙しいし。
「ハンコが欲しけりゃ、俺と付き合え」
「では、本日付で退職させていただきます」(笑顔)
「Oh,NO!」
社長はその端正な顔を、顔面崩壊するほどに歪めた。
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