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彼――福士成彰は私の二つ上で、確か三十歳。目鼻立ちの整った顔をしていて、目元は涼しげでキリッとした眉毛で鼻は高く、身長も百八十センチはゆうに超えている。唇は厚く魅力的で、イケメン部類に入る。そういう顔立ちなのだから、馬鹿みたいな事をしないで欲しい。
顔が崩れても、私の責任じゃないし。知らないからね?
「冗談は顔だけになさって、企画書に目を通して早急に印鑑をお願い致します。本日は九時より朝礼、九時半より軽く全体ミーティング、十時より新商品開発プロジェクトの試作チェック、十一時より試作を元にした新商品の会議、十二時からは取引先マルヤママーケット社長様とご会食、午後一時からは・・・・」
「少し詰め込み過ぎではないか? 紗那とデートする時間が取れないじゃないか!」
「そもそもそのような予定は現時点で組み込まれておりませんし、今後組む予定も一切ございません。新商品開発で予定は目いっぱい、これでも少ないくらいだと思いますが」
淡々と告げた。
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