685人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
伊武の呼吸音や心拍の高鳴りを察知して、同じように自分の体が熱くなった。そんな惣太を愛おしいと言うかのように、背後からほっぺたにすりすりされる。
「先生のほっぺは相変わらず柔らかいな。出来立てのすあまみたいだ」
伊武の頬はなめした革のような感触で心地いい。夕方になるとわずかに生えてくる髭の気配も好きだった。頬をくっつけているだけなのに幸せな気持ちになる。
「今日はどうしようか」
「……どうって」
「答えられないか?」
質問のようで質問ではない。伊武が楽しんでいるのが分かる。
「誰も見たことのない、俺だけが知っている顔を見たい」
「そんなのないですし……電気はちゃんと消します」
「どうしてだ?」
暗いと怖いだろう? と変な誘導をしてくる。
背後から腕を伸ばした伊武が、惣太のシャツのボタンに手を掛けてくる。よく見えないはずなのに凄く器用だ。甘い声で囁きながら次々とボタンを外していく。
「先生の体は綺麗だ。真っ白でさらさらで、どこも小さくて可愛い。全部、愛おしくてたまらない。ああ、ここを触ったら尖ってピンク色になるかな」
開いたシャツの隙間から手を滑り込まされる。すぐに乳首を見つけられて摘ままれた。指先で潰すように愛撫される。
「あっ……」
それだけで熱を持った乳首が甘く痺れて、快感がじわりと滲み出る。扱かれるたびに放射状の快楽が全身へ広がっていく。
最初のコメントを投稿しよう!