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どうしてだろうと思う。
伊武とはもう何度も体を重ねているのに、この行為に一つも慣れない。毎回、きちんと恥ずかしく、快感が増すたびに羞恥心も募っていく。
気持ちがよくて、恥ずかしくて、たまらない。
でも、こんなふうに触られただけですぐに欲しくなる。
――溺れてるのかな……。
どこまで行くんだろうと思い、どこまでも行ってしまうんだろうと思う。
歯止めの利かない自分が怖くてたまらないのに、気持ちよくて幸せで、ずっとこうしていたいと願ってしまう。心臓は走ってズキズキと痛むのに体はふわふわしている。
「先生……」
「……んっ」
耳のカーブに優しく口づけられて、好きだと囁かれる。そのままボトムを脱がされて、耳の穴に熱い舌を入れられながら内腿を優しく撫で上げられた。
体温が上がる。
服を脱がされる、ただそれだけの行為に深い愛情を感じる。身に着けた布を一枚取ることでさえ伊武から施されたら甘い愛撫なのだ。
「先生の耳、外側は冷たいのに、内側は熱いな。形が綺麗でずっと舐めていたくなる」
言葉と吐息と舌で責められる。
もう訳が分からない。真っ直ぐ立っていられない。
不意に伊武が笑う声が聞こえた。
「可愛いな。自分でつかんだのか?」
気がつくと勃起した自分のものを右手でぎゅっと握っていた。伊武の愛撫が気持ちよすぎて、快感で先走りそうな体を無意識のうちに止めようとしていたようだ。
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