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「ほら、放すんだ。自分では駄目だ。俺が全部するから。先生にはさせない。触らせない」
「だって、これは……」
「先生を達かせるのも、感じさせるのも、全部俺だ」
「でも――」
「俺じゃないと駄目だ」
「そんな」
「今日からオナニーも禁止だ。一緒に暮らしたらそれも必要ないだろう」
自分の先走りで濡れた手を外される。お互いの指の間から艶めいたピンク色の亀頭が見えて、その卑猥さにドキリとする。
「全部俺がする。何もかもだ」
先生は俺のものだからなと、囁かれながら抱き上げられた。そのままリビングを出て寝室まで運ばれ、ベッドの上に寝かされる。体がシーツに心地よく沈んだ。
――あ……。
前髪を上げられておでこにキスされる。
じっと見つめられた。
「俺の手で達くか、俺のもので達くか、中に出されて泣きながら達くか、どれがいい?」
そんなのは選べない。
絶対に選べない。
だって、全部だから。
全部、何もかも伊武の言う通りだから。
覆いかぶさってくる伊武の首に腕を回して応える。
惣太ができるのはただ一つ。好きと言うことだけだ――。
「ファーストコール3 ~恋するヤクザのファミリー・アフェア~」
第一章 冒頭お試し読み(了)
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