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私はお風呂に入りに浴室へ向かった。途中ヨギさんが泊まっている部屋の前を通った。静かだ。今頃あのサッカーチームの動画見てるのかな。私がヨギさんの家に間借りしたいと言ったら、ヨギさんどんな反応するだろう。
ヨギさんが私に少し好意的なのは解っていた。あの人がそんな風に女性に好意を見せる事は多分あまりなさそう。外国の女なんてもっとないだろう。国内で一杯いっぱいそうだ。それもせいぜい友達止まりだったかもしれない。とても深く対人関係で傷ついたことがありそうだ。
仕事第一で、気持ちの盛り上がりもない、主に私が悪いんだけど今まで私から好きになって、相手から別れを切り出される恋愛をして来たので、恋人関係にない男性から好意を貰ってもどう反応していいか解らない。相手から何かが始まりそうなときは受け流してしまう。喜怒哀楽が態度にはっきりでる質なので、そういうのは相手に伝わってしまうらしい。それを要領よくいなす程対人関係が得意でもない。一つの恋愛に長くて三年、ダメになったあとしっかり立ち直るのに時間をかけてから次の恋愛を始めた。重なったことはない。
あの頭のおかしい男は、私がドン引きしてもゴリゴリやってきたけれど。例外だし論外だ。押せば落ちるほど柔なつもりもない。恋人のいない今に慣れて、楽だと思っているから、ヨギさんとも今のままの方がいい。
でもあのいい匂い!本当にヨギさんのいい匂いが好きだ。側にいるために、なんでもやってしまいそうだ。現に休筆計画先を韓国に定めてしまった。アメリカやヨーロッパをボンヤリ考えていたのに。すぐ隣の国にしてしまった。
私は18歳の時に文壇デビューしたので、友達のようにアルバイトをしたことがない。大学ライフも送ったことがない。厳密に言えば、みんなの言う普通の社会人になって就職して苦労したこともない。全部やってみたかった。
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