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昼御飯の用意ができたので、ヨギさんに声をかけに部屋へ行った。ノックするとドアが開いて、ヨギさんが顔を出した。 「ヨギさん、お昼ごはんを食べませんか?和食ですが」 「食べます」 ラフなジャージを着こんで髪の毛も洗いさらしのままのヨギさんが出てきた。 「ヨギさんは好きな食べ物ありますか?」 「特にこれ、というものはないです」 「苦手な食べ物はありますか?あ、生の醤油がダメでしたね」 ヨギさんは真剣な顔をして答えた。 「厳密に言えばショーユは食べ物ではなく調味料です」 ヨギさんがあまり真面目に言うのでおかしくなった。 私が笑うとヨギさんは嘆かわしいと言うようにため息をついた。 「あの調味料のお陰で食べられない日本の食べ物は多くあります」 「あー、考えたこともありませんでした、醤油をそのまま使っている食べ物って有りますよね、うん、結構」 「はい」 今聞いてもいいだろうか。…いつ聞いても同じか。だったら早く済まそう。 二人で台所に向かいながら私はじっとヨギさんの顔を見た。
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