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オ・ヨギさんは見た目は全然私のタイプではなかった。 目付きが鋭くて冷たそうで神経質そうで、この人笑ったことあるのだろうか?というくらい、喜怒哀楽が分かりにくい人だった。体つきはヒョロッとして背が高く、案山子みたいだ。私も人の事を言えないんだけれど…変人臭がプンプンした。 だけどヨギさんはとてもいい匂いがした。香水かデオドラントの人工的な匂いのその奧に、暖かいその人特有の、とてもいい匂いがした。 文章を紡ぐのは得意な私だけど、ヨギさんの匂いをどう言い表すかは難しい。 あー、一生この匂いの傍にいたい、そう思ってしまうような、いい匂いがした。 私だけ。 女性は、恋人を匂いで選ぶ、という学説がある。近親相姦を防ぐ人間の雌の本能だそうだ。 ヨギさんの匂いを鼻で感じながら、私は、あの学説を心底思いだした。 それから一番脳に影響を及ぼすのは嗅覚だとも。 あー、この匂いの発生源と同じ空間で過ごしたい。いつもこの匂いのするところで暮らしたい。 だとしたら期限はたった一週間。その間にヨギさんの傍で暮らせるよう算段しなきゃ。真剣だった。
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