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セキヤが嫌いだった。あっちも俺のことは嫌いだったはずだ。担任でもないのにえらそうにしていた。えらそうなやつは嫌いだ。本物かどうかは子どもにだってわかる。
そういうことを俺はかくさなかった。だから、たいていの先生に嫌われた。小学校で俺が先生と認めた先生はアライ先生とイガラシ先生だけだ。
セキヤは五年のときにやってきた。ナマハゲみたいな顔に分厚い眼鏡をかけていた。
教頭先生の次の次くらいの歳で、担任は持たない先生らしかった。これは始業式の後にオリから聞いた話。
廊下で低学年の女子に猫なで声を出してたと思ったら、いきなり六年生をつかまえて怒鳴り出した。走ってたわけじゃない。これは俺が見た話だ。
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