episode2

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中に入ると、広いリビングには2人掛けサイズのソファーと小ぶりなテレビ、テレビに繋がっているDVDレコーダーしか置かれていなかった。しかもテレビは床置きである。  そこかしこに口の開いていない段ボールがいくつか重なっていた。  ごちゃごちゃしているというか、まだ生活感がない、という感じだ。 「先シャワー使って下さい。着替え、俺ので良ければ貸すので」 「ああ……」  身の置き所がなく立ち尽くしていると、ナカノが段ボールに貼られたガムテープをびりびりと剥いで、中からスウェットの上下を出して手渡される。 「下着も、嫌じゃなければ貸しましょうか?」 「いや、それは、大丈夫」  さすがに下着まで借りるのは、なんだか気恥ずかしくて首を横に振る。   「じゃあ、タオルとか用意しとくんでどうぞ」  自分より年下なはずなのに、よく気が利くな、と純粋に感心する。 「どーも」  それなのに愛想もなくお礼を返すことしか出来ない。 「そういえばこの部屋の風呂広くてびっくりしました」  笑いながら言うナカノに見送られ、浴室に入った。  なんというか、初めてできた彼女の家に初めて入ったような、胸がくすぐったい感覚がする。    
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