episode4

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 ふと、時計を見ると8時を回ったところだった。飲み始めてから2時間は経っている。  最近の帆多留の様子がおかしいことに気付いていたメンバーが、何があったのか問いただした結果、アルコールのおかげか帆多留は夕希とあったことを全て話してしまった。 「向こうがフリーになったなら付き合っちゃえばいいのに」  咲久があっさりとそう言う。いやいやそんな簡単な話しじゃねーだろ。 「無理だろ……」 「好きなんでしょ、夕希くんのこと」  咲久の大きな目が、帆多留の目を捕らえる。この目で見つめられると、嘘や誤魔化しが思い付かない。アルコールのせいで、尚更頭は回ってくれなかった。  ヤケになってグラスに3分の1程残ったハイボールを、ぐい、と飲み干す。   「好き、だけど……」  途端にくらくらする視界の中、素直にそう言ってしまうと、自分を押さえ込んでいた何かから解放された気がした。 「今も会いたいでしょ」 「会いたい……」 「またキスしたいでしょ」 「したい……」   咲久の尋問に、帆多留は素直に答えていく。 正直、夕希とのキスの感覚はまだ忘れられていない。けれど、あの夜のことは夢だったのかと思うくらい、記憶が遠ざかっていた。 夕希と会わなくなり、3日が経つ。
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