episode5

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 「今週も始まりました、SEASONSのラジオ、ワンシーズン。今週のパーソナリティは市瀬帆多留と」 「白石冬音です。お願いします」 「お願いします。冬音と2人で仕事するの久しぶりだね」  ラジオ番組の台本を読み上げつつ、アドリブトークを繰り広げていく。  着々とコーナーは進んでいき、番組に届いたメッセージを紹介する時間になった。  帆多留が紙に印刷されたメールを読み上げる。 「では視聴者の方からいただいたメールを読んでいきますね。ラジオネーム、ハナさんからです。『この前発売された咲久くんのソロ曲、大好きで毎日聴いています。帆多留くんのソロ曲も楽しみにしてます』。はい、ありがとうございます」 「どんな曲にするとか、考えてるのか?」 「それはまだ内緒です」  そう言ってふふ、と笑いを付ける。  ソロ曲、な。考えねーとな。  ふと我に返ったら夕希の顔が頭に浮かんでしまう。だめだ、仕事に集中しないと。 夕希のことをすべて忘れようと思っていたのに、簡単には頭から出ていってくれなかった。  
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