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髪の毛が無くなっても、心はリセットできなかった。
溢れ出す涙との戦いは続き、苦しみの波に何度も飲み込まれながら、消えたいという言葉を吐き出すことを繰り返した。
また伸びた髪は私の嫌いな髪のままで、私は心も身体も自分を背負って生きていくしかないのだと、絶望と覚悟の間で戦った。
坊主にした事を後悔はしていない。
ほんの少しの軽さが今の私に繋がったのかもしれないから。
リセットしても変らないこともあるなら、ありのままを好きになれるようにと考える気持ちが持てたから。
今でも自分の髪の毛は好きではありません。
けれど好きになれるようにと、優しい気持ちで向き合えるようにはなりました。
他人に髪の毛を触られたり、何か言われるのはまだ苦手だけれど、私の大切な一部を、私は好きでいたい。
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