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「ジュは、無視していい。あたしのことはレンって呼んでくれ」
自分でレンと名のったその子は、
セントラルシティではあまり見ない、少しかわった東洋スタイルの丈の長い制服をきて、
髪は黒々として長く、うしろの二か所で簡単にしばっていました。
目の色は、夜の空みたいに黒いのですが、でもなんとなく、
いつ見ても、どこかいたずらっぽく笑っている。そういう感じの、人なつこい目でした。
彼女のしゃべり方は、少しかわっていました。
「~だ」とか、「~しろ」とか「~だからな」とか。
なんだかとても大胆で、あけすけで、さっぱりした表裏のない性格のようでした。
ちょっぴり変わった子だな、とは思いましたけれど。それでも悪い印象はなかったです。
背はあまり高くもなく、低くもなく。だいたいわたしと同じです。
きけば、年はココロよりひとつ上で、そのとき十三才でした。
そしてもうひとりの優秀賞は――
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