遠い緑の星のうた

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 そしてその副賞、というのでしょうか。  惑星ルシウスの首都、セントラルシティの環境省のホールでの表彰式のあと、  翌年の一月の冬休みに、その4人が、  宇宙ツアーに、招待されたのです。   惑星ルシウスを、宇宙シャトルから見下ろして、  この星の未来の環境について、あらためて考えて欲しい――  そういうテーマの、宇宙ツアーでした。  わたしはほんとうに、それをきいて、  踊りだしたいくらいにうれしかったのです。  だって考えてみてください。  宇宙ツアー、ですよ?  普通のヒトだと、一生かかっても、そんなツアーの参加費は払えません。  ごくごく一部の、本当のお金持ちのヒトしか参加できないツアーです。  そのツアーに、わたしが。  ただの、普通の、   そんなにお金持ちじゃない、  普通のミドルスクールの生徒のわたしが。  これはもう、よろこばない方がどうかしてます。
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