ハンド・ホワイト・ハンド

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誰か僕に拍手を下さい。   そう言ってみたものの僕には人様に褒められるような事は何もできないのです。 頭が悪くて勉強ができません。運動も苦手です。音楽や芸術なんてろくにやった事もありません。 でも、誰かに褒められたいのです。感動を与えてみたいのです。 誰か僕に拍手を下さい。 そうだ。こんなのはどうでしょう。えへん。 「ぼく、ドラえもん。」 どうです?ドラえもんの物まねです。拍手して下さい。 え?文字だから分からない? ああ、そうか。 それもそうですね。じゃあ…、謎かけなんてどうでしょう。 ええと。ちょっと待って下さいね。 「拍手と掛けまして…サッカーのルール違反と説きます。その心はどちらも、手を使います。」 ほらね。拍手もハンドもどちらも手を使うじゃないですか。 どうです。上手いでしょ。 さあ、拍手をどうぞ。 ええ。あまり上手くないですよね。そもそも、掛かってないし。どちらも同じ意味だし。 こんな高尚な事やっぱり僕にはできません。 じゃあ、円周率を言えるところまで言うというのはどうでしょう。これで、少数点以下30位くらいまで言えたら凄いですよね。 僕こう見えて学生時代、数学は少し、ほんの少しだけ得意だったのですよ。通信簿だって数学は毎回4でしたからね。
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