デンジャラス・エンドレスの始まり

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その3 麻衣 さあ、道也のポンコツに乗って、セカンドアタックだ! いざ、ジャッカルニャンへ… ... ハハハ…、 ”殺し屋号”、今日もいるじゃん 「じゃあ、例の5648のとなり空いてるから、この前みたいに横づけで頼むわ」 「はいはい…」 道也は素早く、”迷惑駐車”完了だわ(笑) 「…いいか、おそらく今日はノボル君が出てくる。その場でやり合うことになれば、アンタはためらわず申し合わせ通り行動だ。いいね?」 「承知してます。大丈夫ですよ…」 うーん… 道也は心持ち、今日はカタイかな まあ、あの大打とは深く接した経験があるから、その当時がフラッシュバックするのかもね 言ってみれば、この道也は大打ノボルの素の恐ろしさを身近で体感してる訳だし できれば二度と接触したくない人間なんだろうな… ... 入り口の自動ドアが開き、店内に入ると、すぐに大打弟が寄ってきたわ デブのコイツ、今日はつんつるてんの上着来てねーや 「やあ、彼女、いらっしゃい。と言っても、お客としてじゃねえんだろう?」 「当たり前じゃん。アンタらに脅迫された人から依頼されてね。その件で話だよ。決定権ある人とね。アンタでいいのかな?」 デブは薄笑いを浮かべながら、両脇の男に何やら会釈してるぞ 「よし、奥へ来な」 どうやら前回同様、奥の応接室でお話しとなるようだ 今の両脇の二人…、オープンん時、応接にいた男だったわ フン…、明らかに私を見る表情、前回と違ってたな 例のカセットテープとかチンピラの”お仕置き”とかで、私に対してビビってるって その点、デブの弟は何のことはないって感じでさ うーん、アンコウの予想通りだったわ… ... 部屋の入り口には3人の男が立っていた はは…、こいつらも私への目つきは”アレ”だわ 「中でお待ちです…」 そのうちの一人が、私をちらっと見やった後、デブに告げた 「…二人とも、中入れや」 そう言って、デブはドアをノックせずに開け、中に入っていった ドアノブを片手にして、ぶっきらぼうに私らを手招きだ そして、室内に入ると… 応接の奥にあるデスクで、サングラスをかけた男が電話中だった コイツ… 私は後ろの道也を振り向いて目で尋ねると、案の定の反応だった… ヤツだ…‼ 大打ノボルだわ ... 「まあ、掛けな」 またまた愛想のないデブは、ポケットに両手をつっこんだまま、顎でソファを指してるよ 私と道也は、先日と同じポジションでソファに腰を下ろした しばらくすると、電話を終えたデスクの男がサングラスを外し、こっちに視線を向けた 「よく来たな、お嬢ちゃん。オープンん時のことは、この武次郎から聞いてる。会いたかったぜ、ヘヘ…」 第一印象は、まあ脂ぎってる野郎だなってとこだった 「アンタが責任者ってことでいいんだな?」 「ああ…。お前、前回は名乗らなかったそうだが、本郷麻衣だな?」 「そうだよ。ただ、相馬豹子も名乗ってるし、近々倉橋麻衣になる。知ってるだろうけど。そんで、アンタは大打ノボルだね?」 「そうだ。…ん?そっちの連れは見覚えあるかな…」 「…人違いだと思います」 道也はさらっと流してたわ(苦笑) 「フン、まあいい。麻衣、まず言っとこう。お前、鼻たれの小娘だが、実にいい女だ。一目見て、ヤリたくなった。しかも無理やりな…(薄笑)」 このヤロウ…、いきなり品のないご挨拶だわ ... 「コレも聞き及んでいるだろうけどさ、私を強姦しようもんならケガするよ。その脂ぎった股にぶら下がってるもん、切り裂くことも躊躇わないんだ、私は。肝に銘じておきな!」 「ああ、例のお前が間接に自殺に追い込んだって、相和会のバカ殿か…。あんなのと一緒にすんな。俺は縛ってヤッてやるから、大丈夫だ。安心して犯されな」 カーッ…! ヘド吐きたくなるレベルの下劣丸出し男じゃん‼ 「この私は縛られる隙など作らない。無駄だね。まあ、その気なら、命がけで来いよ‼いいな⁉」 「ヘヘヘ…、いいねえ…。最初によく覚えとけ。俺は手段を選ばねえ。仮にお前を殺すとなりゃ、何のハードルもねーよ。気を抜きゃ、死ぬぞ。二度は言わねえ。…フン、お互い立場的にこれ以上の自己紹介なんぞ必要ねえだろ。じゃあ、そっちの用件を聞こうか」 大打は、革製の大きな背もたれのレザーチェアに踏ん反りかって切り出した フン、さすが焦がれていた危険な兄ちゃんだけあって、イカレ具合は予想以上ね あの小指付きテープも石堂一派をコケにしたのも、全く応えてないようだ デブの弟同様、私のことを全部承知で、それがどうしたって顔に書いてあるしね フフ…、いいわよ、こいつら では、本格的に喧嘩を売るとする…
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