2341人が本棚に入れています
本棚に追加
/486ページ
「結……」
「だって、何年思い続けてきたと思っているんだよ……やっと俺だけを見てくれたのに……」
彼はそう言って、思い続けきた年月を口にした。
「結、すまなかった……ホワイトデーだというのに」
深い愛情をもって細い身体を抱き返した。
自分は愚かだ。下らない嫉妬を焦がして、大切な人を悲しませてしまった。一哉は心から詫びた。
「ううん……多分俺も、逆の立場なら、嫉妬してる……ごめんね」
潤んだ瞳でふふっと笑われた。
「結……」
またそうやって、可愛いこと言う。たまらずに抱擁を強めると、二人の身体は隙間なく密着した。
「んっ、一哉の……凄く、勃ってる」
ぶつかる屹立同士に結人はピクリと震えて、腰をもじもじと動かした。一哉の中心部はスラックスを大きく押し上げ、窮屈そうにしていた。
「……大丈夫だ……帰ろう」
嘘だ。本当は今すぐにでも結人の体内に挿入りたい。しかし余裕を見せて紳士ぶった。一哉はさっと身を話して運転席へ戻ろうとする。
「あ……待って……っ」
それを結人は阻止して、縋るように腕を伸ばした。両手は一哉の腕をしかと掴んだ。
「結……?」
どうしたと首を傾げる。
「あの、俺……我慢出来そうに、ないから……もっと触って欲しいっ……」
顔を朱に染めて、切羽詰まった声で欲を訴えられた。彼は恥じらいを捨てて、行為の続きを催促しているのだ。
最初のコメントを投稿しよう!