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「なんだこれは……出るのが追いつかない……っ」
直腸付近の蠢きは、言葉に出来ないほど凄かった。吸い付く切っ先が抉られていくようだった。一哉は喉を唸らせながら、最高の熱放に何度も胴を震わせた。
「んんっ、こんなに、たくさん……出されたら……っ」
自らの下腹部を片手で撫でながら、結人が性痙攣を引き起こす。壮絶な快感に打ちのめされたようだった。一哉はそんな彼の身体を正面に向かせて、強く抱き締めた。
「結……愛してる。ずっと、ずっと愛してる……お前はおれのものだ」
「ん、一哉、俺も愛して……はっ、んぅ……」
小さく震える唇は口づけをもって塞いだ。
この後、車の中でもう一度、熱を交わした。走り出した情欲は帰宅しても冷めなかった。
浴室で身体を清めながら一回。寝室でも数回。まるで発情期にはいった動物のように二人は身体を重ねた。
そして迎えた翌日――。
午前の業務を終えた一哉が社員食堂へと向かう途中のこと。
「……あれ? 大槻さんやん」
エレベーターを出たところで、背後から独特なイントネーションで呼びかけられた。声の主など確認しなくともわかる。菅原だ。
「……お疲れ様です。菅原部長」
冷静さを装いながら、ゆっくりと振り返った。多くの社員が行き交うエレベーターホールで、二人は少し間、無言で睨み合った。
「なんや肌の艶がえぇなぁ……お疲れさんとは言えへんなぁ」
意味深な科白で菅原が揶揄いを入れてくる。
「ええ、お陰様で」
「ははっ、否定せーへんねんや。そら、そーやわな」
「……やはり聞いていましたか」
鼻で笑って、腕を組んだ。
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