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なきむし の まき
ねこ の ヘッポコ は、 ゆうしゃ に なりたい おとこのこ。 だいぼうけん に あこがれています。
きょう は、 はじめて ひとり で もり に たんけん に でかけます。
「さあ、 しゅっぱつ ニャン!」
おうち の ドア を あけて、 さいしょ の いっぽ。
すってーん!
あらあら、 ヘッポコ こけちゃった。
「えーん えーん、 いたい ニャン。」
なきごえ を きいて 「なきむし」 が やってきました。
なきむし が ないている こども に くっつくと なくのが とまらなく なって しまうのです。
なきむし が ヘッポコ の おかお に ぷよん とくっつきました。
「うえーん うえーん」
なきごえ を きいて ヘッポコ の おかあさん が やってきました。
「あら、 たいへん! ヘッポコ に なきむし が くっついているわ! なきむし を とるには、 わらう と いいのよ。」
おかあさん は、 ヘッポコ の からだ を こちょこちょ と くすぐりました。
でも、 ヘッポコ は なかなか なきやみません。
「うわーん うわーん」
おかあさん は、 こまって しまいました。
「ヘッポコ が ほんとう に たのしい きもち に ならない と なきむし は とれないのね。 どうしましょう。」
なきごえ を きいて、 ヘッポコ の おともだち も やってきました。
さいしょ に やってきたのは、 たぬき の まほうつかい の ワスレールちゃん。
「ヘッポコ! だいじょうぶポン?!」
ほうき に のって、 そら から やってきました。
でも、 ワスレールちゃん は、 まだ じょうず に とべません。
どっすーん!
じめん に ぶつかって しまいました。
「えーん えーん、 いたいポン。」
つぎ に やってきたのは、 きつね の はつめいか の ポンコツくん。
「ヘッポコ! だいじょうぶコン?!」
ロボット に のって、 はしって やってきました。
でも、 ポンコツくん は、 まだ じょうず に ロボット を つくれません。
すってーん!
ロボット ごと こけて しまいました。
「えーん えーん、 いたいコン。」
さいご に やってきたのは、 よろい を つけた いぬ の ヘナチョコくん。
「ヘッポコ! だいじょうぶワン?!」
うごくたびに よろい が ガチャガチャ と おと を たてます。
へなへなへな。
ヘナチョコくん は、 すわりこんで しまいました。
「えーん えーん、 もう あるけないワン。」
ヘッポコ は、 ともだち が みんな あつまった ので、 うれしくて おもわず にっこり。 えがお になりました。
すると、 なきむし が ヘッポコ の おかお から ポロッ と とれました。
なきむし は、 みんな が なきだして しまったので、 こんど は だれに くっつけば よいか わかりません。
こまって しまった なきむし は、 にげて いきました。
なきむし が にげて いったのが おかしくて、 みんな なきやんで にっこり。 えがお に なりました。
ヘッポコ の おかあさん も ホッと ひとあんしん。
「みんなで、 なきむし を やっつけて、 とても すごかったわ。 たくさん ないて おなか が へった でしょう。 おやつ に しましょう!」
「わーい!」
みんな おおよろこび。 なかよく たのしく おやつ を たべはじめ ました。
これなら、 しばらくは なきむし は やってこない でしょう。
みんな なかよく えがお が いちばん ですね。
じかい に つづきます。 おたのしみに。
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