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「恩田さん、今日は本当にありがとうございました。そして、久美子が本当にお世話になりました。…ありがとうございました。」
恩田の目には涙が浮かんでいた。
まだ実感はなかったけれども、俺にもこみ上げてくるものがあった。
「佐伯さん、僕でよければ、力になれることがあればいつでも言ってください。」
佐伯に名刺を渡し、互いに深々と礼をして会は終了した。
それでもやはり、今日見聞きしたことが本当なのか、俺は未だに信じられなかった。
そして、俺は久美子の元彼なのにと、そんなことを気にしていた自分が情けなかった。
しかも、あわよくば一緒に来た久美子とヨリを戻せたらと思った自分が本当に最低だと思った。
やっぱり俺は、人の気持ちが分からない人間だった…。
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