第7話:手紙

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あれから、どんな人生を過ごしていますか?充実していますか? 誰よりも努力家で頭のいい恩田くんだから、きっと、仕事もバリバリやって、社長にでもなっているのかな?素敵な奥さんやお子さんもいるのかな? そんな恩田くんに、もう一度だけでも会いたかったな。 今、どんな姿なんだろう。どこで何をしているんだろう。 元気だった時の私のまま、笑いながら、当時や今の話をしたかったな。 でもきっと、叶うことはないのだと思います。 恩田くん、どうかこれからも、元気でたくさん幸せでいてね。 これまでの人生を振り返って思うのは、恩田くんは、いつまでも私にとっての「夫の次に大好きだった人」です。 今更そんなこと言われても…って感じだよね。 奥さんや彼女がいるかもしれないのに、変なこと言ってしまってごめんね。 でも本当です。 「もし恩田くんが私の事を嫌いになったら、また好きになる魔法をかける」と冗談で言ったの覚えているかな? 本当に私、変な子だったよね…。 恩田くんとお別れした時、大好きだったから忘れてほしくなくて、本当に魔法をかけました。 恩田くんが誰を好きになっても、誰と結婚しても、私の事が一番と思い続けてしまう魔法です。呪いみたいだけど、魔法です。 夫には内緒だよ(笑) これを読んだら、私がいたこと、私と過ごした時を少しでも思い出してくれたら、これ以上の幸せはありません。 そしたら、この魔法は解けます(笑) ありがとう、恩田くん。 どうか元気でお幸せに! これからもずっと、恩田くんの幸せを願っています。 久美子より。 -----
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